こんにちは、北海道美幌町「さいこうファーム」の吉田です。

美幌町のゆめちからは現在すっかり雪の下です。今日は大雪原となっているゆめちから畑の様子をお伝えします。

 

<ゆめちからの現在の様子>

畑の現在の様子はこのような感じです。11月にはゆめちからの緑色で覆われていた畑も

今では完全に真っ白になっています。

 

▲大雪原となっているゆめちからの畑。画面右下に見えるのはカメラ付きモニタリングデバイスkakaxiです。

 

雪の下のゆめちからはどうなっているのでしょうか?雪を掘り返して見てみることにしました。

積雪はおよそ60cm。その下にうっすらとゆめちからの葉っぱが観察できます。

畑の土は完全に凍りついているようでしたが、ゆめちからはかろうじて緑の葉っぱを維持していました。

▲厚い雪の層の下にゆめちからの姿が少しだけ覗いています。

 

今回もゆめちからの草丈や茎数の計測を試みたのですが、雪に埋まったゆめちからを傷付けずに

採取することができなかったため、泣く泣く断念することにしました。

 

<極寒の中、小麦が育つのは雪のおかげ>

完全に雪の下に隠れているゆめちから。いつからこのような状態になったのか、

畑の脇に設置してあるkakaxiの画像で調べてみました。kakaxiでは毎日1時間おきに畑の写真を撮影しています。過去にさかのぼって見てみると、12月17日の夜から12月18日にかけて最初の雪が積もったようです。

その後、少し雪は溶け、12月23日から24日にまた雪が降り、それ以降は一度も緑の葉が見えることはありませんでした。

 

▲12月17日14時の様子

 

▲12月18日7時の様子

 

▲12月22日16時の様子

 

▲12月23日15時の様子

12月中旬以降、美幌町の気温は一気に低下しています。
1月に入ると平均気温は連日−10℃以下、最低気温だと−20℃を下回った日が9日間もありました。
なかでも一番低かったのは1月30日の朝、気温はなんと−23.6℃(※1)。
このような寒さの中でも、雪の下の温度は0℃程度に保たれています。
ゆめちからのような秋播小麦の低温耐性は−25℃程度(※2)なので、もし雪がなかったら
低温に強い小麦でもかなりのダメージを受けていたはずです。

雪が守ってくれるからこそゆめちからは生き延びることができるのですね。
 

<雪の畑の楽しみ方!?>

 今月は、いつの間にやら大雪原と化していたゆめちから畑の様子をお伝えしました。

この時期の畑に来ると、ちょっとした楽しみ方があるんです。それは、動物の足跡観察です。

今回もいくつか見つけたので紹介しますね。

▲まっすぐ並んだ深めの足跡はキツネだと思います
 

▲小さい5つのくぼみがセットの足跡はネコでしょうか
 

▲大きくくぼんだ足跡は、クマ!?

 

ということで、ゆめちから畑の様子をお伝えしました。美幌町のあるオホーツクはまだまだこの先も寒さが続きます。

来月あたりはオホーツク海に流氷が流れてくるかもしれません。来月も春を待つゆめちからの様子をお伝えしますね!

 

※1 美幌町の2023年1月の気象データ(気象庁HP) https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=17&block_no=0079&year=2023&month=01&day=&view=p1

 

※2 入来規雄 (2001)寒冷多雪地帯 ・北海道の 小麦の越冬性と品質

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/39/2/39_2_97/_pdf/-char/ja

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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