こんにちは、北海道美幌町「さいこうファーム」の吉田です。美幌町のゆめちからがようやく雪の下から顔を出しました。

今年の雪解けは3月19日でした。昨年の12月24日から完全に雪に埋まっていたので、3ヶ月弱、ゆめちからは雪の下で春の訪れをじっと待っていたことになります。

 

<ゆめちからの現在の様子>

 今回の観察は4月3日に行いました。この時点では道路も含めて、雪はすべて解けきっています。1年生の雑草が生えていた畑の縁は枯れ草で覆われていますが、畑の中にはゆめちからの姿が確認できます。

 

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▲雪は完全に溶けました。

 

 雪に埋まる前の11月のゆめちからの様子と比べてみると、青々としていたゆめちからは枯れている部分も目立つくらいくたびれた姿になっています。

 

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▲11月1日のゆめちからの様子

 

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▲4月3日のゆめちからの様子1

 

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▲4月3日のゆめちからの様子2

 

 雪解け後のゆめちからの分げつ数は8〜9本、草丈は14〜17cm。積雪前の11月1日の観察ブログ(https://www.yumechikara.com/blog/?p=8641)では、分げつ数は4〜8本、草丈は15〜18cmだったので、冬の間はやはり生長せずに雪の下で耐えているんですね。

 

<小麦畑に異常あり?>

 いつも観察している畑のゆめちからは、例年通りの様子で、これから温かくなるにつれて元気を取り戻してくれるはずです。

しかし、雪解け後の農道を走っていると、小麦畑にところどころミステリーサークルのようにポッカリと緑がなくなっている場所があります。

このポッカリと空いた空間は、低地の畑ではかなり頻繁に見られるようでした(日頃観察している畑は高台にあります)。

 

 この現象について、網走農業改良普及センター美幌支所の方に問い合わせたところ、「小麦の窒息死」が起きたのだそうです。

実は昨年の冬、雪が積もる前に雪と雨のまざったみぞれが降る日がありました。寒さで地面の凍結が進み、水はけが悪くなった一部の畑では、みぞれにより水たまりができてしまいました。

その後、水たまりの上に雪が積もってしまい、雪の下には水の層が残ったままになったことで小麦が水没、窒息して枯死してしまったそうです。

 

 このようにして窒息してしまった小麦は、もう復活することはありません。

今回のような現象は私が美幌に来てから初めて見るものでした。つねに天候に左右される農業では、どんな状態にでもすこしでも対応できるように、水はけを良くしたりという日々の農作業の工夫が大切になるのですね。

 

 雪解けが進み、北海道の美幌町にも春の訪れです。これから農家は、春に植え付けする作物のための畑の準備を始めます。

雪の下で冬越ししたゆめちからも、一気に成長を始めるはずです。来月もゆめちからの成長の様子をお届けする予定です。お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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